第2回「録音して、自分の話し方に向き合いましょう」

自分の話し方を録音する

 話し方がうまくなるには、何からはじめたらいいのか?多くの方からいただく質問です。答えは簡単、ご自分の話している様子を、録音・録画することです。こういうと、「自分の声を聞くのは嫌!無理!」という方がほとんどです。わかります。私もそうでしたから。でもこれだけはやってほしいんです。

アナウンサーが話がうまい秘密

 一般的に、アナウンサーは話し方がうまいと思われていますよね。ではなぜうまいのでしょう?持って生まれた才能?私は、「アナウンサーは皆、新人時代に自分の放送をチェックする習慣をつけさせられるから」だと思っています。

 実は、私はアナウンサーになるつもりはありませんでした。友人がテレビ局のアナウンサーを受けるというので、面白そうだから自分も!と思って面接を受けただけなのです。そんな状態だったためか、現場になじむのに苦労しました。中でもつらかったのは、自分が担当したニュースや中継リポートを、先輩と一緒に一言一句チェックすることでした。何せ自分の話している様子は逐一放送されているわけですから、チェックしようと思えば放送局内でいつでもできます。先輩は一つ一つ指摘してくれます。例えばニュースだと「早口すぎる」「間が足りない」「棒読みになっている」「語尾が伸びている」など。中継リポートだと、「無駄なことばが多い」「一文が長い」「結論が遅い」「説明が回りくどい」「具体例が弱い」など。これをほぼ毎日行います。これを一年も続ければ、そこそこ話すのがうまくなるのは当たり前ですよね。

 もちろん、今のお仕事で忙しいあなたに、ここまでやっていただこうとは思っていません。とにかく気づいたときで結構です。複数の人にまとまった内容を話す機会があったら、こっそり録音してみてください。スマホの録音アプリ、あるいは動画アプリでも撮影は考えず音だけ録ってみましょう。毎日でなくてもOKです。朝の業務報告会や社内でのプレゼンなどがいいでしょう。面倒くさがらず、とにかく録音してみること。これが最初のハードルです。

 次のハードルは、録音したものを最後まで聞けるかということです。とにかく最初は、自分の声が気持ち悪く感じます。それを乗り越えるには「慣れ」しかありません。なんとか踏みとどまってください。

録音したものを効果的に聞くコツ

 そして最後のハードルは、ただ聞くのでなく、ポイントを絞って聞くことです。なんとなく聞いてしまうと、「声もよくないし、早口だし、だらだらしゃべっているし…、もう嫌!」となってしまいます。「今日は話すスピードだけ注意してみよう」「口癖の『え~と』が何回出ているか数えてみよう」「一文の長さがどれくらいか注目しよう」など、最初のうちは一つのテーマに絞って聞くようにするのです。他は気になることがあっても無視します。こうすることで、自分の話し方に対する過剰な嫌悪感をおさえることができます。 何事もそうですが、まずは自分に向き合うことからです。次回以降は、どんなポイントをチェックしていけばいいのか具体的にお話ししていきますね。

この記事は、2019年1月から12月まで週刊東洋経済に連載したコラム「必ず伝わる最強の話術」に 加筆修正を加えたものです。


ぶっちゃけ、話し方がうまくなりたいと思ったら、今ほど楽な時代はないと思いますよ~。以前は、自分の話し方を確認しようと思ったら、テープレコーダーやICレコーダーなどを使わなければなりませんでした。こうした機械って録音のときは机にしっかりおいておかなくてはならず、、周囲から録音していることがばれてしまうんです。実はそれが大きなハードルになっていました。今は、デスクにスマホをしれっと置いておく。そして知らん顔して録音ボタンを押せばOK。まずはこの一歩からです!

今回の内容をまとめた動画がこちらです。よろしければご覧になってみてくださいね。

 

松本和也松本和也(まつもと・かずや) / 音声表現コンサルタント・ナレーター・司会・ファシリテーター。1967年兵庫県神戸市生まれ。私立灘高校、京都大学経済学部を卒業後、1991年NHKにアナウンサーとして入局。奈良・福井の各放送局を経て、1999年から2012年まで東京アナウンス室勤務。2016年6月退職。7月から「株式会社マツモトメソッド」代表取締役。アナウンサー時代の主な担当番組は、「英語でしゃべらナイト」司会(2001~2007)、「NHK紅白歌合戦」総合司会(2007、2008)、「NHKのど自慢」司会(2010~2011)、「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」「NHKスペシャル(多数)」「大河ドラマ『北条時宗』・木曜時代劇『陽炎の辻1/2/3』」等のナレーター、「シドニーパラリンピック開閉会式」実況に加え、報道番組のキャスターなどアナウンサーとしてあらゆるジャンルの仕事を経験した。株式会社 青二プロダクション所属

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